何人かの人から要望があったので、認知科学、認知心理学関係のおもしろい本 を挙げます。フォントの色が変わっているのは、私が関連した(書いた、ある いは編集、翻訳した)本です。迷ったときはこれらから読んでみよう。ちなみ に、私の著書、論文のリストはここです。
教育・発達関連
安西・乾(編) 「認知発達と進化」 岩波
稲垣佳世子・波多野誼余夫「人はいかに学ぶか」 中公新書
佐伯胖 「新コンピュータと教育」 岩波新書
市川伸一 「考えることの科学」 中公新書
鈴木宏昭他 「教科理解の認知心理学」 新曜社
カーミロフスミス 「人間発達の認知科学」 ミネルバ
ケアリー 「子どもは小さな科学者か」 ミネルバ
吉田・多鹿「認知心理学からみた数の理解」北大路
エルマン他「認知発達と生得性」 共立
ベーシックな教科書
森敏昭他 「グラフィックス 認知心理学」
安西祐一郎 「問題解決の心理学」
ガードナー 「認知革命」 産業図書
サガード 「マインド」 産業図書
稲垣・鈴木・亀田「認知過程研究」放送大学出版 会
守一雄「認知心理学」 岩波
ジョンソンレアード 「心のシミュレーション」
スティリングス他「認知科学通論」 新曜社
脳科学、認知神経科学
立花隆「脳を究める」朝日新聞
ラマチャンドラン 「脳の中の幽霊」 角川
ダマシオ 「生存する脳:心と脳と身体の神秘」 講談社
澤口俊之「脳と心の進化論」 日本評論社
茂木健一郎 「心を生みだす脳のシステム」 NHK
その他(おもしろい本)
ミンスキー 「心の社会」 産業図書
ドレイファス 「純粋人工知能批判」 アスキー
ジョンソンレアード「メンタルモデル」 産業図書
下條信輔 「サブリミナルマインド」 中公新書
ホリオーク・サガード 「アナロジーの力」 新曜 社
安西・乾 「コミュニケーションと思考」
佐々木正人 「アフォーダンス」 岩波
ノーマン 「誰のためのデザイン」 新曜社
佐伯胖 「認知科学の方法」東大出版会
ギロビッチ 「人間、この信じやすきもの」 新曜社
松尾太加志 「コミュニケーションの心理学」 ナカニシヤ
レイコフ・ジョンソン 「メタファーと人生」 大修館
ファイファー・シアー「知の創成」 共立
その他、シリーズものとしては次のものがあります。より体系的な知識が必要 になったときは、この中の本の関連部分を読むとよいでしょう。
認知心理学(東大出版会)
心理学的アプローチを中心としている。 一般的に言って易しい。
  1. 知覚と運動
  2. 記憶
  3. 言語
  4. 思考
  5. 学習と発達
講座認知科学(岩波書店)
脳科学、人工知能がかなり詳しく載っている。けっこう 難しい章も多いですね。
  1. 認知科学の基礎
  2. 脳と心のモデル
  3. 視覚と聴覚
  4. 運動
  5. 記憶と学習
  6. 情動
  7. 言語
  8. 思考
  9. 注意と意識
認知科学選書 (東大出版会)
いわゆる正統から、境界領域までいろいろあります (境界が結構多いかな)。そのかわり、時がたってもいまだに新鮮というのも 多い。一人で一冊を書いているので、一貫した内容になっている。
  1. 上野・宮崎: 視点
  2. 坂原茂: 日常言語の推論
  3. 佐伯胖: 理解とは何か
  4. 御領: 読むということ
  5. 梅本: 認知とパフォーマンス
  6. 土屋俊: 心の科学は可能か
  7. 渡辺: 知るということ
  8. 池田: 緊急時の情報処理
  9. 佐伯胖: 認知科学の方法
  10. 高野陽太郎: 傾いた図形の謎
  11. 音楽と認知
  12. 大津由起夫: ことばから見た心
  13. 生田悦子: 「わざ」から知る
  14. 佐々木正人: からだ:認識の原点
  15. 茂呂雄二: なぜ人は書くのか
  16. 山梨正明: 比喩と理解
  17. 小橋康章: 決定を支援する
  18. 心の計算理論
  19. 辻井・安西: 機械の知と人間の知
  20. 福井: 認識と文化
  21. 甘利俊一: 神経回路網のモデル
  22. 鈴木: 動物の認知行動
  23. 戸田正直: 感情
認知科学の基礎
Posnerが編集したFoundations of Cognitive Science(1989)という定評のある大著の翻訳。やや古いが今でも一線の人たちの執筆 によるので、学ぶことは極めて多い。
  1. 概念と方法
  2. 言語への認知的接近
  3. 記憶と思考
  4. 脳科学との接点
認知科学モノグラフ(共立出版)
出版社は違いますが、認知科学選書の続きのようなもの。より新しい。
  1. 鈴木宏昭: 類似と思考
  2. 長尾確: インタラクティブな環境をつくる
  3. 亀田達也: 合議の知を求めて
  4. 佐藤理史: アナロジーによる機械翻訳
  5. 今井むつみ: ことばの学習のパラドックス
  6. 原田悦子: 人の視点から見た人工物研究
  7. 渡辺茂: ハトがわかればヒトがみえる
  8. 山田誠二: 適応エージェント
  9. 北山忍: 自己と感情
  10. 市川伸一: 確率の理解を探る
  11. 錦見貴美子: 言語を獲得するコンピュータ
認知科学の探求(共立出版)
日本認知科学会の学術誌「認知科学」に 掲載された好評の論文を中心に組まれたシリーズ。けっこう難しいものが多い。
  1. 心の生得性
  2. 協同の知を探る
  3. 意識の認知科学
  4. 類似から見た心
認知科学の新展開
これがもっとも新しい認知科学のシリーズ本。 内容も以前とは大きく異なっているものが多い。
  1. 認知発達と進化
  2. コミュニケーションと思考
  3. 運動と言語
  4. イメージと認知