青山学院大学 総合研究所
            AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY RESEARCH INSTITUTE

SDGs関連研究補助制度
研究課題

2019年度採択 研究課題

健康的な生活のための水質測定技術の開発
研究者:黄 晋二
人間が生活する上で、「水」は最も重要な資源のひとつであり、良質な水を使用することが、人間の生活の質向上に直接つながる。本研究では、水の消毒殺菌に用いられる塩素系薬剤の濃度を管理するために必要な残留塩素センサの開発に取り組む。従来の残留塩素濃度測定法では不可能であった連続的、かつ定量的な高感度の測定を可能とする、小型で安価なグラフェントランジスタをベースとする残留塩素センサの実現を目指す。
プロジェクト型学術英語論文執筆に対する学習資源支援方法の構築:学生の文化資本育成
研究者:山村 公恵
大学教育への平等なアクセスの保証により学生の多様化が進んでいる。それに伴い、学生の家庭の経済的事情が反映された文化的・教養的経験としての「文化資本」(Bourdieu,1986)の不均等が生じている。本研究では、学生の「文化資本」(Bourdieu,1986)という学習資源の不均等を緩和し、プロジェクト型学術英語論文執筆教育を通した社会階層構造の再生産の低減を目指す。プロジェクト型学術英語論文執筆のための学生の「文化資本」育成方法を応用言語学的観点から考案する。
青山学院444一貫制英語教育構想の異文化間能力育成に資するSDGsの基盤形成研究
研究者:木村 松雄
30数点の先行研究書籍を分析した結果、グローバル化する世界におけるSDGs教育の教育学的意義、さらに異文化間能力育成に資するSDGs教育の必要性について合理的な一定の成果を得ることができた。一方で、人文系学生(3年次:80名)を対象にして行った「SDGs17項目の重要度調査」から、人間の成長に関する領域(第1象限:教育)、人間の生存に関する領域(第2象限:保健・健康・衛生)、社会の存続に関する領域(第3象限:環境・資源)には関心を抱いているが、社会の成長に関する領域(第4象限:経済開発分野)には特に強い関心は抱いていないことが分かった。学習者側からの調査を全学部及び444各期において調査・分析を行い、異文化間能力育成に資する「持続可能性の教育」の在り方について提案を行うことが今後の課題である。
判例研究ICJ チャゴス事件:慣習国際法の認定における国連総会決議の規範的価値とは何か
研究者:阿部 達也
慣習国際法の認定において国連総会決議はどのような規範的価値を有し、その規範的価値はどのように証明されるだろうか。従来から議論されてきたこれらの論点について、学説および国際司法裁判所(ICJ)の提示した評価要素を踏まえた上で、2019/2/25のICJチャゴス事件勧告的意見を取り上げて、自決権に関する国連総会決議1514が評価要素に照らして慣習国際法を宣言したものであると結論づけたICJの判断を分析する。
循環型サプライチェーンにおける再生歩留りが引き起こすパラドックス
研究者:細田 髙道
使用済み製品の市場からの回収から再生までのプロセスを考慮した循環型サプライチェーンにおける効率化手法について主に数理モデルを活用して考察する。近年、従来の施策が循環型サプライチェーンでは逆効果になるパラドックス事象が報告されており、再生時の歩留まり率におけるパラドックスの可能性と、その対応施策を示す。
環境調和型反応によるキラルインドールの合成
研究者:武内 亮
医薬品はわれわれの健康を守るのに欠かせない役割を担っている。医薬品は化学反応で作り出される有機分子である。有機分子は三次元の形を持ち、実像と鏡像が重ならない鏡像異性体が存在する。鏡像異性体は異なる薬理作用を持つものが多く、医薬品としては単独の鏡像異性体のみとして供給されることが望ましい。本研究では、医薬品の基本骨格として重要であるインドールから環境に負荷をかけない触媒反応で、両方の鏡像異性体を自在に作り分けることを行う。
平和構築研究におけるイノベーション~SDGs16とフィールドの視点の架橋
研究者:田中(坂部) 有佳子
SDGs目標16「平和と公正をすべてのひとに」は、それ自体の達成がゴールであるとともに、他の目標達成の前提であり手段とも言える。他の目標との連関について、従来の平和構築研究では焦点が当てられてこなかった科学技術、都市計画といった分野の専門家を交えた検討を行い、新たに学際的な議論と具体的な貢献策を抽出する。
アジアの農業の持続的発展に向けて
研究者:加治佐 敬
労働集約的な軽工業中心の工業化の成功で経済成長を実現した多くのアジア諸国において、農業分野の労働力不足が問題となり、持続的発展のためには労働節約的・資本集約的な農業への構造転換が急務とされる。理論的な方法論だけでは実現できない政治経済学的な諸問題を、アジアの農業研究を最前線で行う研究者と検討し、解決の方向性を探る。
SDGsゴール16と国際協力NGO:市民社会スペースをめぐるネットワーク形成の成果と課題
研究者:高橋 良輔
近年SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」をめぐる諸課題が、市民社会スペースの問題として再提起されている。本研究では、目標16の達成に向けた国際協力NGOの活動実態について、ネットワーク型NGOとの共同研究を実施する。その際には、市民社会スペースをめぐる国内外の連携構築の成果と課題を抽出し、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」との相補性を分析していく。
企業の特性とSDGs取組領域の関係
研究者:宮副 謙司
企業のSDGsへの取り組みに際し、それぞれの産業特性や地域特性などの経営要素によって、17領域の中で「取り組むべき領域」「相応しい領域」「取り組みやすい領域」があるのかどうかについて、事例研究としてSDGsへの取り組みに関する企業担当者へのインタビュー調査による定性分析の手法で明らかにする。
産学官連携によるサプライチェーンに対応したSDGs志向食品ロスの低減対策
研究者:玉木 欽也
食品サプライチェーン上流での収穫後損失(市場出荷前に規格外品等として廃棄される3割程)について、農園と提携した廃棄対象の端材等の再利用レシピ開発など、食品ロス低減化活動を中心とした事例研究を通して、外食産業におけるサプライチェーンの下流及び上流プロセスに対して食品ロスの原因を探求し、具体的な対策を示す。
ジェンダーとジェンダー表現の言語学的・哲学的研究
研究者:Elin McCready
ジェンダーの置かれた状況について、多様な性別に対して、どの代名詞を選択するのかに関連する言語形式を検討する言語学的な観点と、ジェンダーとフェミニズムの側面についての哲学的な観点を通して考察し、理論的な立場から女性に対する認識的・社会的不公正についての理解を高める。